2015年7月4日土曜日

ラスタの教派

 
 
ラスタシリーズ最終回、また少し難しい話ですが今回はラスタの教派についてお話しします。



三大教派

ラスタファリ運動には13の教派がありますが、これはMansions of Rastafari(マンションズ・オブ・ラスタファリ)と言われます。
中でも大きな3つの教派がこちら。

・イスラエル12部族 / The Twelve Tribe of Islael
・ボボ・シャンティ / Bobo Shanthi (又はボボ・アシャンティ)
・ナヤビンギ / Nyabinghi(又はナイヤビンギ)


今回はそれぞれの教派について簡単に紹介します。



イスラエル12部族

創設者Vernon Carrington

この教派は1968年に通称ガドと呼ばれる預言者、Vernon Carringtonにより創設されました。1970年代、中流階級を中心に支持者を増やし、特にアーティストや知識層に多い教派のようです。

ガドは聖書を一日一章(A Chapter A Day)読むように教えを説き、
また団体の名前がヤコブ(旧約聖書に登場するヘブライ人の族長)が授かった12人の息子に由来していることからも分かるように、12という数字に心霊学上で意味を持つとして独自の考えを示しました。


ラスタファリ運動はその歴史から当初は黒人だけに向けたものだったのですが、イスラエル12部族では運動に壁を作らないためあらゆる人種の参加を許可し、一番にその方針を明確化したそうです。


なお、Bob Marley、Dennis Brown、Freddie McGregor等多くの有名レゲエアーティストたちがこの教派を支持していました。(ボブは後に別の教派へ移ったそうです)



ボボ・シャンティ



この教派は1958年Emanuel Charles Edwardsにより創設されました。

団体名のBoboはBlack(黒人)を、Shantiはガーナの部族名を表し、このShanti族のメンバーがジャマイカに奴隷として連れてこられていたことから名が付いたそう。

ボボ・シャンティはアフリカ回帰の自然主義を唱える団体。
現在もキングストンから40分程のボボヒルという丘で共同生活を送り、ホウキやワラ製品を売ることで生計を立てているそうです。

特徴的なのがそのスタイル。
頭にターバンを巻き、長いローブを身にまといます。清白、清潔をモットーとし、身なりにとても気を遣うそう。

今ではボボ・シャンティ以外の教派の人もオシャレ感覚でターバンをまとうなど、ファッション的にも影響を与えた教派です。


有名なアーティストはCapletonやSizzla、Anthony Bあたりでしょうか。
あまり詳しくないのですが、過激なリリックが多いらしい。


ナヤビンギ



最後はナヤビンギ、最も古い教派です。
この教派は、19世紀のウガンダ統治者でありイギリスに反抗して戦ったQueen Nayabinghiにちなんで名前が付けられました。

団体名も結構曖昧で、"Nyabinghi", "Nyahbinghi", "Niyahbinghi"などスペルがたくさんあるみたい。


ナヤビンギは"Love to all human beings"を誓約とし、暴力は絶対禁止。破壊はジャー(神)のみに与えられる権利とされています。
彼らは強い反人種差別主義者としても知られており、逆らったものはジャーにより罰せられると考えているそうです。


また、ナヤビンギの音楽ではharpsと呼ばれる3つのドラム、bass、funde、aketeを使い、そのリズムはスカやロックステディ、レゲエなど多くの音楽に繋がりました。


なお"ナヤビンギ"という言葉には3つの意味があります。
 ①教派
 ②ラスタの集会
 ③ラスタの集会で演奏される音楽

主観ですが、③の"音楽"という意味で使われることが多いように感じます!




最大教派は?

ラスタの3大教派を紹介しましたが、これに以下の2派を加えて5大教派と呼ばれることもあるそうです。
・エチオピアン・オーソドックス・チャーチ(エチオピア正統教会)
・エチオピアン・ワールド・フェデレーション


ただし!
ここまでお話ししておいてなんですが、実はラスタ、圧倒的に無所属が多いようです。

全ての人を平等に捉える" I & I "の考えから、リーダー(上下関係)を作らないのが普通みたいです。


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6月後半から続けてきたラスタシリーズ。学んだこと全て書き切りました!!
最終回である今回は知識が薄すぎて、ひどい文章ですね。。

でもこの投稿を通して改めてジャマイカの濃い文化を実感するとともに、ブログに書ける内容が薄くて、まだまだ知りたいことがたくさんあると気づかされました。

またラスタコミュニティでも訪ねて知識を付け、随時更新していきたいと思います。



おわり

※この投稿は、ジャマイカでの語学訓練やラスタ村の訪問、現地の方々から学んだ話を元に執筆しています。間違いや解釈の違いがあればぜひ教えてください。
Special Thanks; Arlene, Wendy, Ra-jah


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